書評 「考える技術」大前研一

本書で繰り返し述べられているのは論理的思考力の重要さです。大前研一は常人離れした問題解決能力、未来予測能力を持っているように思われていますが、この本で述べられているのは、ただ当たり前の思考を繰り返した結果だということです。

問題解決に至るための具体的な思考のプロセスは、仮説、検証、実験という3つの要素から成り立っています。大前研一がもともとは科学者であり、ビジネスの世界に入っても科学者の時に培った論理的思考能力がそのまま生きているそうです。

例えば、ある商品の売り上げが悪いという問題を解決しようと思います。

現場を観察すると、営業マンの元気がないという問題点を発見しました。また、製品の品質が悪い気がしますし、価格設定が高すぎるような気もします。

これらの問題をどうやって解決したらよいでしょうか。「営業マンに元気を出させて製品の品質を上げて価格を下げよう!」と思うのは間違いです。

問題を解決するには、問題点を明確に洗い出し、何が最も効率のよい解決策なのか考えなければなりません。そのためには、仮説・検証のプロセスが必要です。

例えば、ある商品のマーケットシェア率が低いという問題を解決したいとしましょう。データを分析すると、A社のマーケットカバー率は70%で、入札時の競合勝率は20%ということがわかりました。A社のマーケットシェア率は14%です。

まず、マーケットカバー率を上げるのはどうでしょうか。マーケットかバー率を頑張って80%にあげたと仮定しましょう。すると、マーケットシェア率は16%に上昇します。

それとも、競合勝率を50%にあげましょうか。すると、マーケットシェア率は35%になります。どちらが効率の良い問題解決策でしょうか。

問題解決策をやみくもに試すのではなく、論理的に正しい解決策を導き出すことが必要です。そのためには、仮説・検証を繰り返し、問題解決策を論理的に正しいと確信できるものにしていきます。